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技術情報メモ39Technical information

39)材料力学(質量と力)

 滑らかで水平のテーブルに置かれた物体はそのままでは止まったままですが、手で押すと動きます。押された物体は徐々に速度を増し、加速度を得ます。このとき物体から受けている手の感触の度合は、物体の大きさや形状により異なります。この感触の度合を表すものが「力」と考えられていますが、この「力」という概念を定義することは必ずしも容易ではないとされています。
 物体に同じ加速度を与えようとした場合、物体の種類や形状によって、異なる大きさの力が必要となります。即ち、物体には、動かし難さに違いがあるのですが、この動かし難さの度合を示すものを、物体の「質量」とよびます。

ここでは、物理学概説(多田政忠編)における質量と力の定義を紹介します。

1)質量
「二つの物体の質量の比は、同じ大きさの力がこれらの物体に作用したときに、各々が得る加速度の比の逆数である。」
 例えば、滑らかな水平な机の上で、一つの端を固定したバネを一定の長さに伸ばし、他の端に物体Aを取り付けて放した瞬間、物体はバネの縮む方向に加速度を得るが、その加速度の大きさを適当な方法で測って
Aの値を得たとする。次に、全く同じ状態にある物体Oを放して、加速度Oを得たとする。このとき、
  
A/O=O/A  ーーーーーー(1)
によって、質量の比
A/Oを定義するのである。
ここで、ある定まった物体Oを基準にとり、その質量を単位質量O=1と選べば、Aの質量はO/Aとなる。

2)力
 一つの物体をバネにつけて、バネの伸びを二様に変えてみる。すなわち、二様の力を加えると、物体は異なった加速度を得るが、この際、「二つの力の比は、同じ物体に与える加速度の大きさの比である」と定義する。
 すなわち、物体A(質量A)に対して、それぞれ加速度A、
a’A を与えたとすれば、
二つの力の比F’
  
F’A/a’A −−−−−−(2) と定義される。
また、力 F’ が他の物体O(質量O)に対して、加速度O、a’Oを与えたとすれば、(1)によって、
 mA/O=O/A、A/O=a’O/a’
ゆえに、
O/a’A/a’
従って、加速度の比は物体によって変化しない。これによって、上の力の大きさの定義は物理的な意味をもつ。
いま、
  F’
a’O          ーーーーー(3)
を、
  FA=F’a’F’a’ ーーーーー(4)
とかくと、
は物体及び力に無関係な定数となる。従って、一般に
          F=kma                 ーーーーーーーーーー(5)  
とかける。即ち、「力の大きさは、その力の作用する物体の質量とその物体が得る加速度の大きさとの積に比例する。」
特に、単位質量の大きさの加速度を与える力の大きさを単位にとれば、比例定数kは1となり、(5)は
              
F=ma                  −−−−−−−−−−(6)
以上のことをとりまとめ、かつ、力と加速度との方向も述べているのが、運動の第2法則である。


(注意:力と圧力)
 力と圧力は異なるものです。
 力は質量を有する物体に、ある加速度を与えた結果として生ずるベクトル量のことです。物体は外部から力を受けると内部に相対的な変位を生じ、形や大きさが変化します。圧力とは、この力を接触する境界面の面積で割った物理量です。力=圧力×面積で求められます。
 なお、境界面を通じて作用する力を面力といい、力の向きによって、張力、引張応力、圧力、圧縮応力などと呼ばれています。



当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2013.9.15)

                                                

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