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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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技術情報メモ11Technical information

11)伝熱あれこれ

 温度が異なる二つの物体または流体において熱の移動は高温側から低温側に生じます。このような熱の移動現象を伝熱といいます。伝熱には熱伝導、対流伝熱、輻射(放射)伝熱の三つの方式があります。

 熱伝導とは物体内部の温度差により高温側から低温側へ熱が伝わる現象のことです。熱伝導には伝導電子による伝導と格子振動による伝導があります。
 対流伝熱は熱エネルギーを持った流体が移動することにより流体と共に熱も移動する現象のことです。特に、固体表面に流体が接している場合に熱が流体により移動する現象のことを熱伝達といいます。
 輻射(放射)伝熱は熱が赤外線などの電磁波により物体から物体へ移動する現象のことです。

 ところで、ものづくりの現場では熱源を内蔵した金型で樹脂フィルムを溶着することがあります。この際、伝熱の知識は不可欠です。特に、溶着の品質向上を図るため金型の表面に耐熱性の樹脂加工を施したり、耐熱性の樹脂シートを介在させる場合はこれらの適正な管理が必要です。この場合は熱伝導の知識が必要です。図1は熱源を内蔵した金型の表面に樹脂シート(色付け部)を介在させたモデルです。使用による経時変化により樹脂シートの厚さが変わると熱流束が変わるので樹脂シートに挟まれる樹脂フィルムへの熱伝導が変化します。当然のことながら、金型の締め付け力など熱以外に考慮しなければならない項目もあります。しかし、このように樹脂シートを機械の構成要素の一部として使用するからには樹脂シートの維持管理を怠ると不良の山を築くことになりかねないので注意が必要です。

 当事務所ではものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。                                     (2013.5.27)

図1      
熱伝導のモデル

                                           

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