技術情報メモ53Technical information
53)レーザ加工(光造形法)
除去加工には切削加工や研削加工などがあります。これらのほかに特殊加工として、電気・化学加工や粒子ビーム加工などがあります。レーザー加工はこの特殊加工に分類されています。レーザー加工の事例として、穴あけ、切断、溶接、光造形法、マニピュレーションなどがあります。
一方、ラピッドプロトタイピングの手法として積層造形法があります。積層造形法には、光造形法、粉末焼結法、熱溶解積層法、シート積層法、インクジェット法などがあります。
本項では光造形法について紹介します。
ー(詳細、準備中)−
米国では1982年にChuck Hull(チャック・ハル)が光造形システムの概念を形成し、特許を申請し、1986年に基本特許を取得しました。その後、米国3D
Systems社を設立しています。そして、1987年に世界初の市販用光造形マシンSLA-1システムを発表しました。詳細は(http://www.3dsystems.co.jp/company/)に記載されています。
次に、2013年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)に記載されている「3Dプリンタ」に関するコラムを紹介します。
第1部 ものづくり基盤技術の現状と課題
第1章 我が国ものづくり産業が直面する課題と展望の、第3節 世界の“ものづくり”の潮流の変化 の、2.には
サプライサイドの変化(p.99〜102)について、次のように記載されています。
(詳細は(http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2013/index.html)をご覧ください)
生産設備などの「製造プロセス」のデジタル化により、熟練技術者がいなくても一定水準のものづくりが可能に
なり、製造技術の蓄積のない新興国企業でも製造業への入や技術のキャッチアップが容易になった。さらには、
「製造プロセス」だけでなく、一部の「製品」そのものにおいてもデジタル化が進行しており、そのような製品
は部品同士のインターフェイスを標準化することにより、各パーツを組み合わせれば製品を完成・機能させるこ
とができるモジュール化が起こっている。このような“ものづくり”におけるデジタル化は、製品の「コモディテ
ィ化」をもたらし、激しい価格競争に陥るため、自らに有利な事業領域の選択が必要となる。新興国企業が大規
模投資と大量生産により市場シェアを拡大する中で、欧米企業は事業領域の選別と国際標準・知財戦略の活用を
戦略的に行っている。ー以下、省略ー
この節に「3D(次元)プリンタ」に関するコラムが掲載されているので、抜粋して紹介します。
世界のものづくり産業が注目する「3次元プリンタ」
我が国では、俗に「3次元プリンタ」と呼ばれることが多いが、正式にはアディティブ・マニュファク チャリ
ング(Additive Manufacturing:AM)技術といい、プラスチック、樹脂、金属粉などの材料を 一層ごとに連続
的に積層して立体物を造形する技術のことを指す。3次元積層造形技術ともいわれる。例えば、ABS 樹脂をノズ
ルから射出して積層するもの、紫外線を使って槽の中にある液体樹脂を固めていくもの、金属粉に電子ビームを
照射して造形するものなどがある。鋳造の砂型をレーザーなどを使って積層造形する「ラピッド・プロトタイピ
ング工法」もAM 技術である。3次元積層造形装置は、3次元データを入力すると、精度の高い立体的な製品がで
き上がる(“3次元プ リンタ”と呼ばれるのはこのためである)ため、これまでのものづくりに革命をもたらすも
のとして最近、 世界で注目されている。また、3次元積層造形装置の価格も低価格化が進み、造形用材料の種類
も増加し つつあり、AM 技術が広く普及する大きな理由となっている。 現在、AM 技術は、試作品やオーダー
メイド品などの少量 生産に限られ、大量生産には向かない。しかし、安価な3次 元積層造形装置を大量に導入
し、AM 技術が本格的に普及す ると、従来のものづくり技術が不要となるおそれもあり、我が国のものづくり
の方法が大きく変わる可能性を秘めてい る。果たして、AM 技術は、我が国のものづくり産業にとっての脅威
なのか、それとも、競争力を向上させるためのチャ ンスとなるのか、引き続き注目する必要があろう。
先進技術に対する我が国ものづくり企業の関心
科学技術や製造技術の進化・発展は、ものづくりのあり方を変化させてきた。最近では、3次元プリン タの登場
がものづくりに新たな変革をもたらそうとしている。進化する技術を絶えず取り込むことはもの づくり企業の
成長にとって不可欠であるが、我が国ものづくり企業がどの程度、3次元プリンタなどの先進技術に関心を持っ
ているかアンケートで尋ねた。 その結果、「3次元プリンタ」に対する関心は回答企業数の40.8%であり、
「先端複合技術」(58.5%)、「3 次元スキャン」(43.2%)に次ぐ比率であった。「3次元プリンタ」に対す
る関心度合いを業種別で 見ると、「一般機械」が51.7%と最も高く、以下「輸送用機械」「電気機械」が続い
ている。3次元プリン タは従来の金型に替わり得る技術であり、機械系業種における関心の高さがわかる。
−以下、省略ー
当事務所ではものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2014.2.13)