本文へスキップ

阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

TEL. 088-694-3482

〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

安全情報メモ46Safety information

46)小型移動式クレーン(定義と運転者の資格)

1)小型移動式クレーンの定義
 移動式クレーンとは、労働安全衛生法施行令(以下、令という)第1条第8号『原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるクレーンをいう』とされています。この内、つり上げ荷重が1t以上5t未満の移動式クレーンを小型移動式クレーンとしています。
 そして、第8号における移動式クレーンには,フォークリフト,揚貨装置およびストラルドキャリヤーは含まれないこと、およびクレーンとは,荷を動力を用いてつり上げ,およびこれを水平に運搬することを目的とする機械装置をいうこと、また、クレーンには,揚貨装置および機械集材装置は含まないことが基発第602号により通達されています。
 更に、基発第621号には、「水平に運搬すること」には、動力を用いない場合も含まれること、「原動機を内蔵し」には、原動機が機体に組み込まれ、また、台車、台船等に取りつけられていること、「不特定の場所に移動することができる」には、当該機械装置自体を陸上または水上の任意の場所に移動させることができることをいう旨などが、通達されています。
 これらのことから、荷のつり上げのみを行う機械装置はクレーンではありません。また、荷のつり上げを人力で行う機械装置は、荷の水平移動が動力であってもクレーンではなく、荷のつり上げを動力で行う機械装置は、荷の水平移動が人力であってもクレーンとよびます。このように、呼称の範囲には注意が必要です。
 なお、つり上げ荷重が0.5t未満のクレーンはクレーン等安全規則の適用を受けないため、クレーン等安全規則におけるクレーンには該当しません。

 (
参考資料)
  昭和46年9月7日に発出された基発第621号は「クレーン等安全規則の一部を改正する省令の施行について」記載さ
  れています。クレーン等安全規則の一部を改正する省令(昭和46年労働省令第21号)は、昭和46年7月16日に公布
  され、同年9月1日(一部の規定は,昭和47年4月1日または昭和47年9月1日)から施行されることになりました。
  また、昭和47年9月18日に発出された基発第598号には、「クレーン等安全規則の施行について」次のように記載さ
  れています。
  労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)および労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)の規定に基づき、クレ
  ーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号。以下「新規則」という。)は、昭和47年9月公布され、同年10月1日
  から施行されることとなつた。 今回の新規則の制定は、労働安全衛生法および労働安全衛生法施行令の施行に伴い
  従来のクレーン等安全規則(昭和37年労働省令第16号。以下「旧規則」という。)を廃止するとともに、従来の規
  制に新規の規制を加え、クレーン等の安全の確保を一層効果的にすすめることとしたものである。 ついては、今回
  の新規則の制定の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底をはかるとともに、とくに下記の事項に留意して、その
  運用に遺憾のないようにされたい。
  なお、旧規則に関する通達は、新規則の相当条文に関する通達として取扱うこととし、昭和46年9月7日付け基発第
  621号通達中、第3条関係の(3)および(4)(別紙1を除く。)、第45条関係の(2)および(3)(別紙2を除く。)、第79条関
  係の(5)、第148条関係の(1)および(2)並びに第156条関係の(1)を削り、別紙3を本通達別紙のように改める。
  −別紙省略ー


2)運転者の資格
 表1に示すとおり、使用するクレーン等のつり上げ荷重(質量)に応じて法令で定める資格を有する者でなければ当該業
務を行ってはならないと定められています。

表1.クレーン等資格(教育)要件
(出典:労働安全衛生法施行令、クレーン等安全規則)


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の
声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2013.12.26)