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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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安全情報メモ45Safety information

45)労働災害(社会福祉施設)

 2013年6月18日、厚生労働省は19年ぶりに「職場における腰痛予防対策指針」を改訂し、公表しました。詳細は厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.html)に掲載されています。

 「職場における腰痛予防の取組みを!」と題して、厚生労働省は改訂に至った経緯を次のように述べています。
   
職場での腰痛は、休業4日以上の職業性疾病のうち6割を占める労働災害となっています。厚生労働省は、平成6
  年9月に「職場における腰痛予防対策指針」を示し、主に重量物を取り扱う事業場などに対して、啓発や指導を行っ
  てきましたが、近年は高齢者介護などの社会福祉施設での腰痛発生件数が大幅に増加している状況にあります。
   このような状況を受け、適用対象を福祉・医療分野等における介護・看護作業全般に広げるとともに、腰に負担の
  少ない介護介助法などを加えて改訂を行いました。 厚生労働省では、改訂指針を都道府県労働局、関係団体、関係
  行政機関などに通知し、職場における腰痛予防対策を推進していきます。
   また、今年度は社会福祉施設に対する指針の普及・定着を目的として、介護事業者を対象とした腰痛予防対策講習
  会の開催などの支援事業を実施する予定です。


 次表1)及び2)は厚生労働省の業務上疾病発生状況等調査による直近5か年の結果を抜粋したものです。

 1)負傷に起因する疾病及び腰痛(全産業)
      年度             2008年    2009年    2010年    2011年    2012年
      負傷に起因する疾病1)件数  6,625件   5,721件   5,819件   5,654件   5,688件
      内、腰痛件数          5,509件   4,816件   4,960件   4,766件   4,789件

      注1)負傷に起因する疾病とは労働基準法施行規則の一部改正(昭和53年3月30日に公布され、
        同年4月1日から施行)に次のように規定されています。
         負傷に起因する疾病とは、業務上の負傷が原因となって第一次的に発生した疾病(以下「原疾恵」と
        いう。)のほか、原疾患に引き続いて発生した続発性の疾病その他原疾患との間に相当因果関係の認め
        られる疾病をいう。
        本規定に該当する疾病には、以下のものが含まれる。
        (イ) 業務上の頭部又は顔面部の負傷による慢性硬膜下血腫、外傷性遅発性脳卒中、外傷性てんかん等
          の頭蓋内疾患
        (ロ) 業務上の脳、脊髄及び抹消神経等神経系の負傷による皮膚、筋肉、骨及び胸腹部臓器等の疾患
        (ハ) 業務上の胸部又は腹部の負傷による胸膜炎、心膜炎、ヘルニア(横隔膜ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニ
          ア等)等の胸腹部臓器の疾患
        (ニ) 業務上の脊柱又は四肢の負傷による関節症、腰痛(いわゆる「災害性腰痛」)等の非感染性疾患
        (ホ) 業務上の皮膚等の負傷による破傷風等の細菌感染症(峰窩織炎(旧第10号)もこれに該当する。)
        (ヘ) 業務上の負傷又は異物の侵入・残留による眼疾患(旧第3号参照)その他の臓器、組織の疾患
        (ト) その他業務上の負傷に起因することの明らかな疾病。ハチやマムシ等による刺傷又は咬傷から体
          内に侵入した毒素による疾病もこれに該当する。

 2)負傷に起因する疾病及び腰痛の業種別発生状況(保険・衛生業1)
      年度             2008年    2009年    2010年    2011年    2012年
      負傷に起因する疾病件数     1,352件   1,296件   1,361件   1,398件   1,393件
      内、腰痛件数                        1,257件   1,329件   1,298件

      注1)厚生労働省の業務上疾病発生状況等調査の業種には社会福祉施設は保険・衛生業の一つとして分類さ
        れています。基幹統計(国勢調査や家計調査など)においては原則として産業別の統計を公表する際に
        は、日本標準産業分類に基づいて結果を公表しなければならないとされています。
        日本標準産業分類とは日本の各種統計における産業分類を定めたものです。統計法に基づき2009年3月
        23日付け総務省告示第175号として設定されています。そして、大分類はA 農業,林業やB 漁業など
        20項目、中分類は01農業や02林業など99項目に分類されています。
        従って、保健・衛生業は大分類はP、中分類は84となります。また、労働基準法別表第1によると、
        区分13 保健・衛生業は「病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業」 と規定されています。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2013.12.13)