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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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よろず見聞録24Experience & knowledge

24)新緑の豊稔池ダム/香川県観音寺市

 2016年5月1日、次女夫婦と風薫る新緑の豊稔池を訪れました。 豊稔池は香川県観音寺市大野原町にあり、讃岐山脈から流れ出る柞田川西岸に広がる水田(約530ha)を潤す”ため池”です。1926年に着工し、1930年に完成しました。堤長128m、堤高30.4mの石積みダムで、貯水量は159万m3です。
 その後、漏水などの老朽化がみられたため、1989年から5年の歳月と20億円余りの事業費を投じ、大規模な改修工事が行われました。
写真1.豊稔池ダム
  (2016.5.1
   上流側から撮影)


 豊稔池堰堤(2006年、国の重要文化財(建造物)指定)は全国唯一の石積み式マルチプルアーチダムとして農林水産省のホームページに詳しく紹介されています。(以下、一部抜粋)
  
その昔、“大野原は月夜に焼ける”と言われ、江戸時代以前は土地が高燥で一面の原野でした。大正時代の二度の大
  干ばつを契機に近代式ため池の必要性が高まり、豊稔池築造計画が立ち上がりました。工学博士の佐野藤次郎氏の
  指導のもと大正15年に着工し、県の直営工事として実施され、地元の受益農家を中心に構成された作業班により、
  わずか3年8ヶ月の間に堤長128m、堤高30.4mの石積みダムが完成しました。当時、ダム建築の最新技術であるマ
  ルチプルアーチ構造を採用し、中世ヨーロッパの古城を偲ばせる偉容と風格を漂わせる豊稔池は、景観的にも学術
  的にも他に類を見ない貴重なダムとして現在でも高く評価され、平成18年(2006年)に国の重要文化財として登
  録されました。
写真2.豊稔池ダム
 (2016.5.1
  下流側から撮影)

 ところで、香川県の主要なため池はゆるぬきの日程が決まっていますが、豊稔池のゆるぬきの日程は下流の井関池の貯水量により変動します。例年7月中旬から下旬に行われており、多くの見物客が訪れているとのことです。
 なお、香川県の“かがわの農業農村整備”ホームページには次のように記載されています。
  
本県のため池は、14,619箇所(全国比7.1%)で兵庫県、広島県に次いで全国第3位です。しかし、県土の総面積
  に対するため池の密度では全国一となっています。 また、一箇所当りの平均貯水量は、約1万トンで広島県や山口
  県の数倍ありますが、満濃池や内場池などの巨大なため池の存在が大きく影響しており、実態は、千トン未満の小
  規模なため池が8,600箇所と全体の約6割を占めています。

写真3.豊稔池の概要等
  (2016.5.1撮影)


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。(2016.5.1)