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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

よろず見聞録20Experience & knowledge

20)呉・大和ミュージアム

 呉は、広島市の南東部に位置し、瀬戸内海に面した天然の良港といわれています。第二次世界大戦中は旧日本海軍の
拠点となり、40万人を越える人口(現在、約23万人)を抱えていました。呉市海事歴史科学館は、愛称を大和ミュー
ジアムといい、2005年4月23日に開館しました。明治時代以降の造船の街あるいは軍港・鎮守府としての呉の歴史
や、基幹となった製鋼や造船などの科学技術が展示されています。
 2014年6月8日、大和ミュージアムと隣接する海上自衛隊呉資料館(てつのくじら館)に行ってきました。

 図1.広島県呉市と宮島(出所:google mapの画面コピー)
      
 海軍工廠の街として栄えた呉で戦艦「大和」は建造されました。国防を全うするため最強の戦艦を保有しようとして建造された戦艦大和でしたが、目的を達成することなく、沖縄諸島に向う作戦途中で米国空母艦載機の波状攻撃を受け、多くの人命と共に海底深く沈んでしまいました。

 大和ミュージアム入館のパンフレットには次のように記載されています。
    
世界の戦艦「大和」を生んだ「呉」の歴史と平和の大切さ、科学技術のすばらしさを未来へ

 戦後、日本は世界有数の造船国へと発展しました。これは戦前から培われてきた技術と新しい技術が結びつくことにより可能となりました。戦艦大和を生んだ呉は戦後における日本の近代化の一翼を担ったのです。

 館内説明の中から「現代に生きる大和の技術」の幾つかを紹介します。
 1)科学的な生産管理:大和の建造では造船において初めて科学的な生産管理が行われました。生産効率アップのため
   調達する部品や材料を標準化すると同時に、船体を区画・分割し建造するブロック工法などを導入しました。そし
   て、進捗状況を把握するためグラフによる工程管理を行っています。
 2)大型旋盤(ドイツ・ワグナー社製):大和の46センチ砲の製造に用いた旋盤は1938年、ドイツ・ワグナー社から
   旧日本海軍に導入されました。そして、1956年、神戸製鋼所に払い下げられた後、1996年、(株)きしろ 播磨工
   場に移設され、クランク軸の加工に用いられていました。大型船のクランク軸は長さ20m、重量300tを超す巨大
   なものですが、(1/100)o単位の精度が要求されます。(日本機械学会関西支部第629回見学会参加記録より抜粋)
 3)測距儀:日本光学工業(現・ニコン)製で長短2種が収められており、基線長は長い方が15.72m、短い方が
   15.28mありました。基線長とは左右の対物レンズ間の距離のことで、これが長いほど精度を高くしやすくなりま
   す。ニコンは、戦後、カメラのレンズで世界的な評価を得ています。
 4)150cm探照灯反射鏡:2007年11月、経済産業省より発表された「近代化産業遺産群33」の中のストーリー2、
   「欧米諸国に比肩する近代造船業成長の歩みを物語る近代化産業遺産群」を構成するものとして認定された大和ミ
   ュージアムの4つの資料の一つです。後の三つは、戦艦「大和」設計図面、10分の1戦艦「大和」、巡洋戦艦「金
   剛」搭載のヤーロー式ボイラーです。
 5)バルバスバウ:船の造波抵抗を打ち消すために、喫水線下の船首に設けた球状の突起のことで、1911年、アメリ
   カ海軍の航空母艦に採用されました。その後、大型の外洋船に普及していきました。大和は当時の最新技術である
   バルバスバウを採用していたことになります。

 図2.大和ミュージアム 10分の1戦艦「大和」と「近代化産業遺産」認定(2014年6月8日撮影)
      
 吉田満(当時海軍少尉)の著書「戦艦大和ノ最期」で取り上げられたことによって戦後広く知られるようになった臼淵
大尉の言葉が残されています。現在では、この臼淵大尉の言葉は原作者・吉田満の創作との説もありますが、大和ミュー
ジアムには「臼淵大尉の言葉より引用」として掲示されています。

「進歩のない者は決して勝たない 負けて目ざめることが最上の道だ 日本は進歩ということを軽んじ過ぎた 私的な
潔癖や徳義にこだわって、本当の進歩を忘れていた 敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか 今目覚めずしていつ救われるか 俺たちはその先導になるのだ 日本の新生に先駆けて散る まさに本望じゃあないか」


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.6.15)
                                           

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